第6話「育てよ!カメ」
この回はとにかく異色というか変な回でした。後半からはもう悪い夢を見てるかのような混沌っぷりで凄まじかったですね。
オープニングもいつもと違う曲&テロップが子どもの書いたような字になっていて、こういう特殊演出を挟んでくるところがウルトラQの面白いところだなと思いました。
この回の主人公・太郎くんですが、授業中にカメの餌やり&研究はあまりにも堂々としすぎてます。ギャングのおじさん達にも怯まず突っ込んでいきますし、ここまでくると将来大物になりそうですね。
そして今回の怪獣・ガメロン&乙姫&怪竜ですけど、完全に混沌の国の住人というか、人間の想像のはるか先を行くわけのわからない存在でした。でかいカメが壁抜けして空を高速で飛ぶってだけでも十分変なんですけど、甲羅の一部がパカッと開いて計器盤が出てきたシーンはもう変というか予想外すぎて思わず吹き出してしまいました。乙姫もビジュアルが完全に普通の幼い女の子ですし、ずっと笑いながらミサイルに跨ってたり怪竜に乗って攻撃してきたりと何だかよく分からないことになってます。太郎くんも原爆投げてやるだとか過激すぎる事を言ってましたしもう全体的に凄い。
でもいわゆる神様的な存在って、もしかしたらこういう感じなのかもしれないですね。人間の思考回路ではやってる事がひとつも理解できないけど、なんだかんだ教訓めいた事を残して去っていくみたいな。
第7話「SOS富士山」
ゴルゴスの鳴き声が完全にゴジラで、まずそこが気になりました。
この回に出てくるタケルは森で育ったターザン的なキャラなんですけど、野生児パワーというのは本当に凄いですね。洞窟の出口を塞ぐ大岩を押し出しますし、あまつさえ怪獣だって倒してしまいましたし。タケルは最後人間社会に戻ってましたが、その戦闘センスをどこかで活かしてほしいものです。
第8話「甘い蜜の恐怖」
この世界の人々は生き物が巨大化する食べ物を開発しがちですね。ゴロー回は兵器目的でこっちは医療目的という違いこそありますが。
この回は特に特撮に気合が入ってるなと感じましたね。地盤沈下に飲み込まれていく民家のシーンや、モングラーが戦車やミサイルに一斉狙撃されるシーンは迫力がありました。
今回の事件は伊丹博士の嫉妬が発端となっていましたが、人ひとりの感情がここまでの大騒動を巻き起こしてしまうというのはなかなか恐ろしいものがありますね。
第9話「クモ男爵」
これは古典ホラーあるあるが詰まった良い回でしたね。鬱蒼とした森の中で遭難した一同が寂れた洋館を発見する…なんていかにもな導入じゃないですか。ひとりでに鳴り出すオカリナも不気味で良い演出でした。
最後に館から追いかけてきた大蜘蛛を車で轢いて倒してたんですけど、怪異を車で轢くという展開がこの時代からあったことに驚きましたね。映画『コワすぎ!』の口裂け女回をちょっと思い出しました。
クモを倒した後に館が大崩壊するのも「いかにも」な終わり方で、見ていて楽しかったです。
第10話「地底特急西へ」
浜田さん!?…ではなくM1号が初登場する回です。ガキ使で取り上げられた効果もあってか、再登場の機会が多い怪獣ですね。
全体的にコミカルな話だったのですが、最後のシーンはあれどう考えても子ども死んでますよね…。そう考えるとなかなか後味の悪い回でした。
この回は大人たちがかなり迂闊で、あそこで気を付けていればこんな惨事は起こらなかったのではないか?と思えるようなシーンがいくつもありました。ある種、これは大人に向けられた教訓話だったのかもしれないですね(実際そんな意図があるかどうかはさておき)。