ぼくは、ずっと欲しかったイヤホンをついに手に入れた。これはなんと動物の声が分かるという優れもので、お父さんとお母さんに何度もねだってようやく買ってもらったものだ。
この時のために前もって用意していた庭のエサ皿を確認すると、狙い通り3羽のスズメが集まっているのが見えた。仲が良さそうにチュンチュンとさえずっている。
一体どんな事を言っているのだろう…ぼくはドキドキしながらイヤホンを耳につけた。
「シンプルに不味いねこれ」「あいつ俺の飯奪いやがった許さねえ絶対殺すぶち殺してやる羽毛毟り取って目玉と砂肝抉り出して木の枝に突き刺して晒してやる…」「ぐぺぺぺぺうぺぺぺぺぺぺぺ」
ぼくは無言でイヤホンを外した。