私は結構な怖がりなのでホラーゲームというものを今までやって来なかったのですが、意を決してついにプレイしてみました。
スーファミ版『弟切草』です(プレイはWiiUのVC)。もうタイトル画面からしておっかないですね。
…というわけで、隠しを含めた全11種のエンディングを見てきました!
このゲームの一番面白いところは、選んだ選択肢によって物語の設定自体が変わってしまう事ですね。最初の周では事件の原因がヒロインの姉だったんですけど、次の周を遊んだら原因が母親に変わってたり、はたまた次の周では謎の怪魚が暴れてたり…と、このシステムのおかげで展開が非常にバラエティ豊かなんですよね。こういうやり方は本や映像媒体では出来ない事なので、サウンドノベル黎明期にしてすでにこの媒体ならではの面白さを開拓できていたのは凄い事だなと思います。
初見~2周目のときは屋敷の雰囲気や突如現れるミイラなどにビビりまくりながらプレイしてましたが、3周目以降になると怖がらせる演出にもほぼ慣れてしまい「今回のルートはどういう世界観で行くんだろう」と純粋に続きを楽しみにしながら進めてましたね。
数あるルートの中でも、ホラー作品として1番良いと思ったのは火傷編ですね。プレイも4周目になって「さすがにもう何が来てもビビらんやろ」と思っていたのですが、どんどん狂っていくナオミの日記を読んだ時はかなり血の気が引きましたね…段々文字の密度が増えて句読点の使い方もおかしくなっていくのが怖かったです。
後味もこのルートだけめちゃくちゃ悪いですし、純粋に怖くて悲しいシナリオでしたね。
あと個人的に好きなルートで「ミニ生首編」というのがあるんですけど、このルートの設定がダントツで荒唐無稽なんですよね。
このルートだと「実はヒロインとその家族は妖怪だった!!」という衝撃の展開になるのですが…ヒロインとその姉は吸血鬼、両親は幽霊とミイラ、弟は怪魚兼狼男と家族構成がこれまたカオス。特に弟の設定は凄いですね。普通怪魚と狼男どっちか一つに絞ると思うんですけど、両方いく所が斜め上です。
まあこのルートはホラーというよりカオスギャグになってるんですけど、人間世界の常識が通用しない不条理さがあってこれはこれで面白かったですね。「生首を99個集めると、100個目を迎えた時一斉にお祝いのコーラスを歌いだす」のくだりとか、よくこんな世界観思いついたなと素直に感心しました。
もう一つ別の意味で印象に残ったのが、このゲームにはヒロインからの主人公の呼び名が周ごとでランダムに変わるシステムがあって(〇〇さん、〇〇君、呼び捨てなど)、それにより一回呼び名が〇〇どんになってしまったんですよね。
どんなシリアスなシーンでもずっと「とりねどん!」って呼ばれるもんだから「さすがにちょっとふざけすぎじゃない!?」と思ったものでしたが、この周を遊んだ時のルートが「全部ヒロインとその家族によるドッキリでした」ってオチだったので、殺されかけるようなシーンでもずっととりねどん呼びを貫いていたのが図らずも伏線みたいになっててなんだか面白かったですね(ランダムなのでもちろん全く関係ないですけど)。
今回が人生初のホラーゲームだったんですけど、プレイしてて面白かったので他のホラーゲームもいずれ遊んでみたいなと思いましたね。とはいえアクション要素があるものはテンパっちゃって無理だと思うので、今回のような自分のペースでじっくり進められるテキストアドベンチャーものから作品を見つけていきたいです。