第11話「バルンガ」
15話まで見た中だと、この回が一番印象に残りましたね。
この回はいつになく不穏な空気が作品全体を包んでいました。使われている劇伴もおどろおどろしく、まるでバルンガという得体の知れない存在に対する人々の不安や恐怖を表しているかのように感じました。万城目たちが会話してるシーンでもずっと巨大なバルンガが背景に浮かび続けていて、その演出もまた恐ろしかったです。
奈良丸博士は「バルンガは怪物ではない。神の警告だ」「この気違いじみた都会も休息を欲している。ぐっすり眠って反省すべきこともあろう」と語っていました。忙しすぎる社会に対して思うところがあるのは分からなくもないですが…大けがを負って入院している一平のように苦しむ人が出る事を考えると、やっぱり一人間としては納得のいくものじゃ無いなと感じてしまいますね。
今空に浮かんでいる太陽は、とうの昔にバルンガと化しているのかもしれません。
第12話「鳥を見た」
まず、「鳥を見た!」というセリフとともにOPの曲が流れる演出がかっこよかったです。
ラルゲユウスはまるでジキルとハイドのような怪獣でしたね。街や人に被害を出しているクロウの姿を目にせず、綺麗な思い出のままで別れることができた三郎くんはきっと幸運だったと思います。
第13話「ガラダマ」
今回はガラモンの登場です。同じ見た目をしたピグモンは小さくて友好的な怪獣でしたが、こっちは真逆の巨大で危険な怪獣です。
ガラモンの仕草はかなりコミカルなのですが、それがかえって怖く感じます。こんなおどけたヤツに生殺与奪権を握られているのか…と思うと余計絶望感を覚えてしまいますね。最後倒れるときに口からよだれ(のような液体)を垂らしていて、ロボットなのにえらく生物的な機能を付けられたもんだなぁと思いました。
一の谷博士が子どもたちに隕石の仕組みについて分かりやすく解説していたのですが、こういう誰にでも分かるような解説が出来る人って本当に頭が良いんだなと感じますね。自分もこういう大人になりたかったです。
第14話「東京氷河期」
ペギラ、いよいよ来日です。
この回はバルンガ回の時みたく東京が大惨事に遭ってましたね。ホームグラウンドの南極を出たら弱体化するのではと思いきや全くそんなことは無く、逆に弱点の苔が生えてないのを良いことに前回をはるかに超える大暴れを見せてくれました。
オサムくんの親子は何とも切ない最後を迎えてしまいました。紆余曲折あってやっと再開出来たと思いきや…どうにもままならないものですね。
あと、「全世界26億人…」ってセリフに地味にたまげました。この60年であんなに人口増えたんですね…
第15話「カネゴンの繭」
育てよ!カメ以来の子どもが主役の回です。こういう回って、なぜだか異様にシュールな演出が目立つんですよね。カネオくんがカネゴンに変身するシーンはさながらデヴィッド・リンチのようでした。
子どもたちのやりとりが軽妙で笑えましたね。もう食費を払えそうにないし研究所かサーカスに売っちまうか?という流れで「でも友達だぜ?」「昔はな!」って会話してたときはあまりの薄情さに吹き出してしまいました。
まさか祈祷師のおばあが言ってた「カネゴンの願いはヒゲオヤジを逆立ちさせた時叶えられるぞよ!」が本当に文字通りの意味だったなんて…やはり不条理には不条理で対抗するしかないのでしょうか?カネゴンがジェット噴射で垂直に空を飛んでいくシーンはシュールの極みでした。